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年末の一時帰国でロケーションフリー(ロケフリ)の設定を終えて再度中国に戻って来ました。中国でもロケフリで念願である日本のテレビを視聴することが出来るのか?必要な機材はなんなのか?かかった金額はいくらかなどを紹介したいと思います。
最初にお断りをしておきます。
今回このシステムを組むに当たって半分成功、半分失敗という成果でした。従ってどうしても何不自由なくテレビを見たいという人は率直に接続業者を探して設置することをおすすめします。
最近日本食屋でも日本のテレビを放送再開しているところが出てきています。
先日店員さんに聞くと業者の電話番号を教えてくれました。1年契約で2,700元だそうです。
ただしこのような状況のため接続依頼が多く、1日2件まで依頼受け付けしているそうでひょっとすると順番待ちを余儀なくされることがあるかもしれません。
では本題に入ります。ロケーションフリーの仕組みはどうなっているのかですが、簡単に言うと日本の番組をインターネット回線を通じて外出先のデバイスに映像転送する事です。
この外出先はつまりインターネットに接続されているとどこでも見られるということです。
では実際にどうやって設定したのかご紹介します。
環境の確認
以下の環境が必ず必要になりますので準備してください。
- 日本のインターネット回線 ※光などの高速固定回線推奨、上り9Mbps以上でHD画質再生可能
- 中国のインターネット回線 ※ADSLで実測値3Mbps以上の回線推奨
日本、中国ともにインターネット回線が必要になります。日本にインターネット回線がない、そもそも家族一同で赴任して家がないのであれば実家を利用する、兄弟に協力してもらうなど方法を考えます。
※家人に協力してもらう代わりに一部料金負担をするなど交渉して見ると良いと思います。
中国側の住まいにはインターネット回線があると思いますのでクリアしていますね。
環境の確認は以上です。
購入するもの
今回私が購入したものを紹介します。必要最低限のものです、これだけあればとりあえず中国に設置しているテレビで日本のテレビが視聴できます。
- nasne 1TBモデル ¥20,507
- PlayStation Vita TV Value Pack ¥16,800
わたしの出費額は¥37,307となりました。
どういった用途で必要なのか、どのように使うのかを購入した機器別に説明していきます。
nasne 1TBモデル
SONYから販売されている地デジチューナー兼レコーダー。似た名前でTorneという製品がありますが、あちらはPlayStation3が無いとただの箱になりますので間違わないように。
nasneで出来る事はテレビ番組の視聴、録画が可能で、視聴に関してはスマホ、タブレット、プレイステーションシリーズを使って家庭内、外出先から映像を視聴する事が出来ます。
PlayStation Vita TV Value Pack
もともと持ち運びできるポータブルゲーム機であるPlayStation VITAですが、据え置き機として販売されたのが「PlayStation Vita TV Value Pack」という商品。
HDMI端子でテレビにつなぐとテレビでnasneの映像を受信できます。これの凄いところがなんと外出先でも視聴できる事が対応になったこと。
どういった仕組みなのかはAV Watchの記事を参照いただけると良くわかると思います。
購入するものは以上です。
実際の設置手順
インターネット環境が揃った、機材も揃った。さぁいよいよ設置しますよー。実際に自分が実際設置していった順番を紹介します。
nasneを設置
nasneの設置は説明書に書いているとおりに設置します。テレビやHDDドライブを設置したことがある人は簡単だと思います。
- nasneを設置
- B-CASカードを差し込む
- アンテナ線をつなぐ
- LANケーブルをつなぐ
- 電源を入れる
以上、難しくありませんよね。
nasneの設定をする
nasneの設置し終わると「PlayStation Vita TV Value Pack」を設置します。これも設置は簡単です。
電源ケーブル/LANケーブル設置、電源投入をするだけです。
電源投入するとPlayStationストアから「PS VITA TV」のアプリをダウンロードしておきます。
このアプリは無料です。
PS VITA TVアプリを使って設定する
アプリをダウンロード出来たらテレビと同じで地域設定、チャンネルスキャンの作業を済ませます。テレビと変わらないので難しく無いと思いますよ。
そしてここからが大事な設定です。この設定を忘れると外出先から実家のnasneを操作できずテレビを視聴する事が出来ないので忘れずに設定をする事。
設定内容は3つ
- ペアリング設定
- エニイタイムアクセス設定
- 省電力モードを解除する
各設定方法はnasneの設定画面内にあります。
1番目は「設定>ペアリング設定」でnasneとPS VITA TVをペアリングする事。ペアリングしていないとテレビ視聴が出来ません。
2番目は「設定>nasne設定>エニイタイムアクセス設定」で外出先からnasneを操作することが出来る機能になります。忘れると操作できずに視聴する事ができません。
3番目は「基本設定>省電力モード」をオフにしておきます。ここまで出来ると日本で行う設定は完了です。
一応番組を受信してnasneに問題が無いかを確認しておきます。
ちょうどカラオケバトルで城 南海さんが歌っていました。彼女の歌声は本当にきれいですよね。ちなみに優勝していましたけど
一応テレビでもチェック。
柴犬まるちゃんかわええなぁ…
設定が本当に出来ているか不安ですか?不安ですよね?実際中国にPS VITA TVをもってきたら映らなかっただと無駄足になりますよね。
そんなときは友人や同僚の家に設定が終わったPS VITA TVを持ち込んで本当に接続出来るか確認して見てください。
もしくはスマホでもnasneのアプリ「torne mobile(500円)」がありますので、こちらで3G回線を使って確認してみるのも手ですね。
※スマホの設定もPS VITA TVと同じ設定(ペアリング設定、エニイタイムアクセス設定等々)をしておくこと
中国での設置手順
上記設定が終わったらPS VITA TVのみを中国に持ってきます。間違ってもnasneまでもってこないように。
もってきたPS VITA TVを中国の部屋にあるテレビもしくはパソコンのモニターにHDMIで接続します。
家のテレビ大家さんがケチでブラウン管しかないからHDMI端子が無いよーって人は自分で購入しましょう(笑)
HDMIで接続して電源投入が終わると1点確認しなければいけない事があります。
PS VITA TVの「設定>ネットワーク>インターネット接続設定」で中国のインターネット回線の接続状況を確認してください。
出てきた測定結果の中にNATタイプという項目があるのですが「タイプ1」もしくは「タイプ2」のあなたは合格です。
万が一「タイプ3」が表示されたあなた!アウトです!
率直にあきらめましょう。
詳しい話しは抜きにして簡単に話すとマンションに据え置きのネット環境(ケーブルテレビ等)でこの「NATタイプ3」が表示されるようです。
つまり会社で用意してもらった部屋に住んでいてネットも最初から備え付けで用意されていたような部屋だとこの可能性が高いのです。
中国で設置が終わった後にもメンテが必要
実はこのnasneを使用して日本の番組を見るのにも欠点があります。それは3ヶ月に一度PS VITA TVを日本に持ち帰ってnasneと同じネットワークで再度ペアリング設定を行わないといけません。
先ほどペアリング設定の画像を載せましたがもう一度見てみます。
ペアリング有効期限として「2016/03/24 20:21」という文字が見えますね。
この期間を過ぎるとペアリング解除されてしまい外出先で実家のnasneを操作することが出来なくなります。
幸い私は仕事の都合で最長3ヶ月に1回のペースで一時帰国させていただいております。
従って一時帰国のたびにペアリング設定を行って帰ってくると良いのですけどね。
なぜこのペアリング作業が必要なのか?それは日本国内のNexTV-Fが推進する「次世代放送推進フォーラム」に則って我々が視聴しているからである。
逆をかえすと中国の業者は違法に日本国内の番組を放送しているのでいつ規制されるかわからない危険にさらされているが、nasneを使ってリモート視聴している分には合法で有り規制対象にならないので安心して番組を視聴することが出来るとなる。
参考資料:デジタル放送のリモート視聴について ※注意pdfへのリンク
【リモート視聴機能】
○ 自宅のスマートテレビで受信している、あるいは録画された放送番組を、外出先から、 インターネットを介してモバイル端末によって視聴することを可能とする。
○ 視聴者は、
(1)スマートテレビに紐づけられた、特定のモバイル端末から
(2)専用のアプリケーションにより、
(3)地上波等のリアルタイム視聴や、録画された放送番組の視聴
が可能となる。
視聴に関してチャンネル数の制限有り
このロケフリを使っての日本の番組視聴はチャンネル数の制限もある。今までiHome系の業者を使っていた場合関東、関西、BS、CSと多チャンネルを1週間分までさかのぼって見ていたと思う。
でも今回紹介したnasneを使用する場合はnasneを設置した場所、関東なら関東、関西なら関西、地方都市なら地方都市の番組しか映らない。当然と言えば当然だか…
しかも録画は自分で設定しないといけないので仕事が忙しく忘れた場合それまでだ。
幸いnasneのスマホアプリ「torne mobile(500円)」は簡単に録画予約の操作ができる。スマホを使わなくてもPS VITA TV本体でも予約はできる。
そこが一癖あるので注意が必要なのだが。
中国で日本の番組を自力で見るためのまとめ
どうしても日本の番組を見たい、業者任せだとまたいつか規制されたときにと奮い立ちnasneを使って設定はしてみたもののやはり色々とめんどくさい事このうえない。
それでも合法に番組を見ていたいという人にはお勧めだと思う。
最後におさらいをすると
- 日本と中国にインターネット回線を有すること ※高速回線が望ましい
- nasneとPS VITA TVで4万円弱の出費を覚悟出来ること
- 中国の回線がNATタイプ3だと視聴出来ない
- PS VITA TVのペアリングのために3ヶ月に1回日本に帰れること
- 合法に日本の番組を視聴したい
- 業者のように多チャンネル展開は出来ない
- 録画は自分で録画する
という事が苦にならなくても視聴したい場合は導入するのも一考である。
もし導入したが中国で見られないじゃないかという事もあるので自己責任でお願いいたします。
ちなみにいま「絶対に笑ってはいけない名探偵24時」を見ながらこの記事を書いています(笑)
万が一中国で使えない場合PS VITA TVなんだからゲーム機にしたら良いじゃ無い?
日本に置いているnasneは一時帰国時チャンネルの取り合いになったときや、トイレ風呂に入っているときにスマホで番組視聴する機械だと思えば良いじゃ無い?
そう考えると導入しやすいのではないだろうか。
おまけ
このnasneを使ってテレビ番組を視聴するとニコニコ動画と連動させる事が出来、番組にコメントが表示される。
中国国内だとニコニコ動画は規制対象サイトになっているのでフル活用出来ないが、日本に帰った時に試してみて欲しい。
次世代の使い方を垣間見られて変わった楽しみ方が出来るはずだ。
画面の上下にコメントが流れているのがわかるだろうか。画面右には瞬間最大風速的にコメントの多さが表示されているのでどこで盛り上がっているのか一目瞭然だ。
以上nasneとPS VITA TVを使って中国で日本の番組を視聴する手順を紹介してみた。
本年度は皆様方からご声援いただきありがとうございます。来年度も引き続きよろしくお願いいたします。
それでは皆さん良いお年を。
いつも楽しく読ませていただいております。ロケフリの方法を私も検討しているのですが、Rec-onやSlingboxを今回採用されなかった理由などあれば教えていただけないでしょうか?
出稼ぎ太郎様
コメントありがとうございます。
わたくし「nasne」と「Rec-on」と「Slingbox」すべて持っておりまして今回紹介させていただいたのは「nasne」だけです。
理由なんですが「運用まで簡単にできるのがnasneだった」というだけなんですよね。
なので他の機材は追ってまた記事にしたいと思います。
ただし不完全な状態で中国入りしているので、次回のテスト環境を整える期間は春節ごろになりますけど…
もし簡単じゃなくてもよい、3か月に1回帰国できないというのであればSlingboxがおすすめですよ。
Slingboxは一度セットアップすると後の認証作業が必要ありませんので。